千葉市で終活を始める方へ。お墓の種類と知っておきたい基本

1.お墓の権利
a.墓地使用に関する権利義務
墓地の使用に関する権利義務は当該墓地の管理運営主体と購入者との契約内容によって定まることになります。具体的には、その墓地の管理運営主体が地方公共団体であれば(公営墓地)、条例・規則に定められた使用条件に従うことになります。
一方で宗教法人・公益法人が経営する墓地(民営墓地)の場合は、そちらとの契約書、使用規則、約款などに基づきます。
また、寺院の境内などにある墓地の場合は「檀徒」にならなくてはならない場合もありますので、予め確認しておきましょう。檀徒とは、その寺院の教義を信奉し、寺院墓地に墳墓を設置して自己の主宰する祭り等をその寺院に一時的ではなく委託し、かつ寺院の経費を分担する者のことをいいます(津地判昭38年6月21日)。したがって、檀徒になった場合、墓地の使用規則だけでなく、寺院の檀徒として宗教活動に参加し、寺院を支えていく義務を負うことにもあります。
b.墓地の使用権
「墓地使用権」については実は法律に明文で定められているものではないので法律上明確な定義はありませんが、いずれにせよ「永続性」というものを前提としていますから、いわゆる「祭祀承継者」が存在するかぎり、契約期間の定めの有無に限らず半永久的に、永続的に墓地を使用することができるため、墓地使用権は「永代使用権」と呼ばれることもあります。
ここでややこしいのが「永代供養墓」です。永代供養墓は祭祀承継を前提としないもので、墓地の管理者が祭祀承継者に代わって供養を行うというものです。その態様はさまざまなものがあり、初めから合祀するタイプのものから一定期間後に合祀する場合もあったりします。
話ついでですが、「永代使用権」の場合、祭祀承継者がいない場合、寺院から永代使用権の購入を拒絶される場合、約款上購入できない。といったケースもありますので事前に確認しておくことをお勧めします。
2.お墓の種類
a.納骨堂と墳墓
納骨堂とは墓地埋葬法上の定義では「他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう」と定められています(墓地埋葬法2条6項)。一方で墳墓(お墓)は「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう」(墓地埋葬法2条4項)と定められています。ですから、違いというと「収蔵」するか「埋蔵」するか。という点です。
納骨堂の特徴としては「安い」「都市部にあるから参拝がラク」という点があります。ですが長期的に見た場合、納骨自体は建物施設内にあるわけですから、建物の老朽化の問題があるでしょう。
b.自宅にお墓を建てる
法律上は墓地埋葬法に基づいて都道府県知事の許可を受けることができれば個人が自宅の土地の一部を墓地としてお墓を建てることも可能ではあります(10条許可)。
ただ、墓地の経営主体は原則、地方公共団体であって、これにより難い事情のある場合でも財団法人などの公益法人や宗教法人とされています。
個人墓地については「山間へき地等であって、近くの既存の墓地を利用できない場合などの特別な場合」以外は認められていません(昭和21年9月3日発警第85号内務省警保局長・厚生省公衆衛生局長通知、昭和27年10月25日衛発第1025号公衆衛生局長回答、昭和28年10月24日衛環62号環境衛生課長回答)。
ただし、遺骨を納める目的ではなく、写真や縁故品などを納める目的の記念碑、慰霊碑を自宅土地の一部に建てることは都道府県知事の許可を得ずとも可能です。
なお、許可を得ずに自宅土地の一部に遺骨を納めるお墓を個人的に建てた場合、墓地埋葬法10条違反を理由に6カ月以下の懲役または1万円以上2万円以下の罰金、また墓地埋葬法4条違反を理由に1万円以上2万円以下の罰金または拘留もしくは千円以上1万円未満の科料に処される可能性も・・・。
3.納骨の決定権
既にお墓がある場合、誰を納骨するかという埋蔵の決定権者はそのお墓の墓地使用権者にあります。そしてその墓地使用権は墓を含めて祭祀承継者の意思で誰を納骨するかが決まるといえるでしょう。祭祀継承者が誰であるかという点で争いがある場合、民法では原則「慣習」に委ね、故人の指定がある場合はその指定に従うとしています(民法897条1項)。
そこでその「慣習」が明らかでない場合、故人の指定が明らかでない場合、家事調停・家事審判によって祭祀承継者を定めることになります(家事事件手続法244条、同法別表第二・11の項、民法897条2項)。
・対策
この「納骨紛争」を事前に予防するためには、遺言または公正証書において祭祀承継者をしておくことが有効となります。
ただ、遺言作成者の中には、お墓の承継、葬儀、埋葬方法を区別できていない場合があるので、公正証書作成時には希望事項が「遺言事項」(祭祀承継問題)なのか、付言事項(葬儀・埋葬)に該当するのかを説明し、意思を明確にしておくことが大事です。
4.墓じまいとは
お墓の管理が困難となった場合、お墓に納められている遺骨を取り出し、墓石を処分するなどして墓所を整理して墓地区画を墓地や霊園に返却するなど、お墓を整理することを「墓じまい」といいます。
墓じまいには主に以下の種類がありますが、墓じまいを行うにはまず納められている遺骨を取り出すことが必要で、その際は「法律上の手続き」と「墓地・霊園の規則に定められた手続き」の2つが必要で、双方を確認しておく必要があります。そして取り出した遺骨のその後の扱いによって「法律上の手続き」が異なります。
①遺骨を新たによその墓地や納骨堂に納める場合
お墓に埋葬されていたご遺体や、埋蔵収蔵されていた遺骨の全部をよそのお墓に移すことを「改葬」といいます(墓地埋葬法2条3項)。手続きについては後述いたします。
②遺骨を手元に置いて供養する場合、散骨する場合
埋蔵・収蔵されていた遺骨の全部または一部をよそのお墓に移すことなく、手元に置いて供養することを「手元供養」といいます。この場合、墓地埋葬法にいう「改葬」には当たりませんから法律上は特段の規制が課されていません。手続きについては後述します。
また、散骨のための遺骨の取り出しも「改葬」には当たらず、法律上特段の規制が課されていないと解されていますが、散骨についての問題点、手続きについては後述いたします。
・規則上の手続き
墓地や霊園の定める規則において遺骨の取り出しについて一定の手続きが定められているのが通例です。また、寺院墓地では寺院の定める典礼方式による供養が必要な場合がありますから、事前に確認しておきましょう。
・墓所区画の整理
遺骨を取り出した後は墓所区画に設置されている墓石を撤去し更地にして霊園に返還する事になります。これについても当該墓地・霊園に定める規則に手続きや方法が定められていることが通例ですから、先に問い合わせておきましょう。
・祭祀承継者
墓じまいにあたっては、親族間で先祖代々のお墓の祭祀承継者が誰なのか確認し、話し合うことが重要です。
・典礼のトラブル
墓じまいの際に、どのような典礼(閉眼供養など)を行うか、もしくは事務的に改葬を済ますのかの選択が必要になります。
・離檀料
寺院墓地の場合、墓じまいにあたって離檀することになると「離檀料」を請求される場合があります。そのため、あらかじめ、檀家契約、墓地使用契約の契約書、約款を確認しておきましょう。ただ、葬祭の件については明示の合意が明らかでない場合がそれなりにありますから、事前に調査しておきましょう。
・永代供養料とトラブル
既に支払った永代供養料は多くの場合、返還を予定していません。
・墓石処分
法的には業者に墓石の処分を依頼した時点で所有権を放棄したものと考えられますが、その墓石が産業廃棄物として放置、遺棄されるのが心情的に受け入れられない場合、事前に処分業者をよく調べ選定することが大事です。
5.改葬
先にみたように、お墓に埋蔵した遺体や埋蔵・収蔵した遺骨の全部を他のお墓に移すことを「改葬」といいます(墓地埋葬法2条3項)。
墓地埋葬法では国民の宗教的感情と公衆衛生の観点から改葬を行うために、市町村長の許可が必要となります。そのため、申請書を遺骨が現在ある市町村長に対して提出する必要があります(墓地埋葬法施行規則2条1項)。
なお、改葬する場所を記載する必要がありますから、移す先のお墓を予め用意しておく必要がありますし、申請書に移す先の墓地の使用許可証、受け入れ証明書などの添付も必要です。
※改葬する遺骨が2体以上ある場合は改葬許可申請書継続用紙になります。
6.分骨
分骨とは焼骨の一部をとの墳墓または納骨堂に移すことをいいます。これに対し、分けた遺骨の一部を手元に置くことを「手元供養」といい、これは分骨に該当しません。
遺骨の所有者には管理処分権があります。遺骨は祭祀承継者に帰属するものと理解されていますから(最判平成元年7月18日)祭祀承継者は分骨を請求する事ができます。
祭祀承継者でない者が分骨の請求をする場合、祭祀承継者の承諾が必要です。通常は祭祀承継者が墓地や納骨堂の使用者となっているため、分骨請求をするにあたっては墓地や納骨堂の使用者の承諾書類が必要となる場合が多いでしょう。
分骨の手続きは墓地埋葬法施行規則5条1項、2項に定められています。そこで分骨証明書を取得し、分骨の移動先の墓地等の管理者に提出することになります。その際、移動先の受け入れ証明や使用承諾書を求められることもあります。また、分骨の場合、受け入れ側が条件を提示する場合がありますので事前に確認しておきましょう。
千葉市の場合、千葉市斎場にて分骨証明書の相談をすることで証明書を発行してもらうことになります。
おわりに
現在、死亡者数の増加に対して火葬場の建設数、稼働数が追いついていないという現状があります。2025年には死亡者数将来推計によれば150万人を超える予測となっています(内閣府令和5年高齢者白書)。その為、地域によっては火葬までに1週間から長くて10日間待つこともあります。
病院で亡くなった場合、ご遺体ははやく引き取らねばなりませんが、遺体安置にかかる費用はおおむね1日当たり5000円から3万円で、それに別途ドライアイス代が加わることもあり、季節が冬であれば自宅に引き取る方もいらっしゃいますが、なかなかそうもいかないご家庭も多く、対応に苦慮されているかたもいらっしゃいます。
死後というとお金や土地の相続の話ばかりですが、いざ事が始まるとあれもこれも大変なものです。
以上、駆け足で簡単にではありましたが、少しでも葬祭と法律の理解が深まれば幸いです。
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