宗教法人の再活動①

 今回は宗教法人のうち「合併・解散」についてです。近年、寺院の統廃合は加速しています。そこで今回はどのように統廃合が進んでいったか、そしてその手続きはどのような流れなのかを簡単にではありますが見ていきたいと思います。

 ①寺院の統廃合の今

  駒澤大学仏教経済研究所研究員 梶龍輔氏の調査によれば1983年から2022年の40年間の間に統廃合した寺院の数は本願寺派で428カ寺、曹洞宗204カ寺、日蓮宗71カ寺を数え、合計703カ寺であったようで、廃寺は増加傾向にあるものの、とりわけ2013年から2022年の期間に279カ寺という、全体の4割が直近10年間のあいだに消滅しているとのことです。

 法務省登記統計上も宗教法人解散数は2021年には668件、2022年には676件と急増しており、現代はまさに本格的な寺院消滅時代に入ったと言えるのかもしれません。

 A.   兼務寺院

 本務地たる寺院に住職が不在で別寺院の住職がその寺院を兼務・代務していることを「兼務寺院」と言います。この兼務寺院の割合は上昇し続けているようで、兼務寺院の特徴としてはその経済規模の「小ささ」にあるようです。

 兼務寺院の収入は平均で200万円程度でしかなく、日ごろの宗教活動に必要な費用の工面もままならない状況で、こうなるといくら宗教的な気持ちがあったとしても承継することは難しく、兼務寺院の持続可能性は今後も低いのかもしれません。

 一部の寺院では檀信徒の不在、住職の不在となり、いわゆる「不活動状態」となってしまっています。

 「宗務行政の適正な遂行について(通知)」(4文宗務90号 令和5年3月31日)によると、令和3年末時点において、文部科学大臣及び都道府県知事が所轄庁である宗教法人のうち3,348の法人が不活動宗教法人として確認されています。これらの法人については、それぞれの状況に応じて再活動を促す、合併若しくは任意解散の手続きを進めること、所轄庁において裁判所に解散命令請求をすることなのによって「整理する必要がある」との認識を文化庁は示しています。

 これまでの「不活動状態」について文化庁はその判断基準として以下のことを示していました。

《これまでの不活動宗教法人の判断》

・宗教法人法に定める解散命令の事由を目安に、各所轄庁が判断。

①1年以上にわたって宗教活動をしていない

 ②やむを得ない事由がないのに、礼拝の施設が滅失してから2年以上に わたってその施設を備えない

 ③1年以上にわたって代表役員及びその代務者がいない (宗教法人法第81条第1項第2号後段~第4号)

  

 しかしこの基準では「疑いはあるが確証が得られない」として取り扱いが曖昧になる法人が発生し、結果的に整理に至らない場合が頻発したとして、今度は「宗務行政の適正な遂行について(概要) -令和5年3月31日 文化庁宗務課長通知-」としてより詳細なフローを提示するに至りました。

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