終活の第一歩

 終活と聞くと、なんだかとても大変な作業がこれから控えているような気がするかもしれません。街中での終活相談会などでは、まず葬儀ですとかお墓ですとか、相続ですとか、信託ですとか、法律上ですとかちょっと気が遠くなりそうな言葉が並んでいます。また、最近では終活を有料・無料でサポートするいろんな会社も出てきておりなかなか判断がつきにくい時代になってきました。

 ですが、終活の第一歩はとても単純な事で、まずは、余裕をもって、取り掛かろうとするお気持ちを持つことです。なにごとも慌てず、ゆっくりと取り掛かろうとすることですね。これはもしかしたら終活に関わらず、一度、人生を振り返ってみるという節目の時にもそういったものが必要なのかもしれません。

 いわゆる「エンディングノート」の話になりますが、終活やエンディングノート作成時において重要なのは、なにもお金の話だけではありません。

 縁起でもない話にはなりますが、ご自身やご家族が急な病に倒れた時に参考になるような事を書いておく必要もあります。それにより、ご家族やパートナーが緊急の時にも事態を把握し、適切な医療を迅速に繋げることが望めます。

 例えば、ご自身の体調、アレルギーの有無、病歴、血液型、持病の有無、服用されているお薬についてですとか、治療に関する意思表示について(延命治療等を希望する・しない)、また、臓器提供の件ですとかそういった内容も記載しておくべきでしょう。

 他に、もしお亡くなりになってしまった場合、お持ちのパソコン、スマートフォンの扱い方(中身のデータは見ないで破棄してほしいとか)、契約しているキャリアなども記載して、しっかりと意思を残しておきましょう。

 特に持病や治療に関する意思表示については、終活に関係なく、わたしのような独身者も考えておいた方がよいかもしれません。

 次にお金関係の話になりますが、最近ですとそれほど多くの銀行口座をお持ちの方はいらっしゃらないと思いますが、やはりそこは年代の方々によって違いがございまして、割といろんな銀行等で通帳を作っていた。なんて事も。

 だから慌てて口座をどうこうではなく、今現在、自分が、どこに何を持っているか。というのをご自身で、またはご家族で改めて把握してみる。というのもよいかもしれません。

 そこで初めて「もうさすがにここの口座はいらないね」とか「ここは引き落とし専用で」など整理する取っ掛かりというものをつくる事ができると思います。

 そうしていくと、今度は保険の確認をしてみたり、ご自身がお持ちの不動産(家ばかりでなく、どこかに家庭菜園用の土地を買ったとか借りているとか)、金融資産を持っているとか、次々と把握することができ、整理することもできるでしょう。

 あれこれいっきに考え込んで悩むのではなく、案外こういったとことから始められるのも一つの手かもしれません。

 いわゆる終活関係の一つに「身元保証サービス」といったものもありますが、身元保証人には医療同意権がないといった問題や、法的にも整備がなされておらずそもそも役割が不明瞭となっている部分があります。このあたりも機会があれば当コラムで取り上げたいと思いますが、まずは第一歩として、先に書きました内容をお考えになられてみてはいかがでしょうか。

 

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