NPOを作りたくなったら②
前回のNPOを作りたくなったら の続きになります。
NPOを設立するためには、法律に定められた書類を作成し、それを揃え、所轄庁(管轄しているお役所)に提出して「認証」を受ける必要があります。その書類作成に至るまでに、人員を揃えること(役員やNPO法人の社員)、活動目的を明確にし、活動計画を具体的に立てることなどが必要になります。
NPO法人を設立するに当たっては「定款」(法人の決まり事)の作成が一番重要なものになります。その定款を作成するためには、NPO法人としてどのような活動をしたいか、法人の名称はどうするかといったことが重要です。
①NPO法人ができること。
特定非営利活動とは、以下の①~⑳に掲げる活動で、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものです(特定非営利活動促進法2①)。
① 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
② 社会教育の推進を図る活動
③ まちづくりの推進を図る活動
④ 観光の振興を図る活動
⑤ 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
⑥ 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
⑦ 環境の保全を図る活動
⑧ 災害救援活動
⑨ 地域安全活動
⑩ 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
⑪ 国際協力の活動
⑫ 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
⑬ 子どもの健全育成を図る活動
⑭ 情報化社会の発展を図る活動
⑮ 科学技術の振興を図る活動
⑯ 経済活動の活性化を図る活動
⑰ 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
(内閣府より)
②提出する書類は。
NPO法人を設立するためには、所轄庁の条例で定めるところにより、次の①~⑩の書類を添付した申請書を所轄庁に提出し、設立の認証を受ける必要があります(特定非営利活動促進法10①)。
① 定款
② 役員名簿(役員の氏名及び住所又は居所並びに各役員についての報酬の有無を記載した名簿)
③ 役員の就任承諾及び誓約書の謄本
④ 役員の住所又は居所を証する書面
⑤ 社員のうち10人以上の氏名及び住所又は居所を示した書面
⑥ 確認書
⑦ 設立趣旨書
⑧ 設立についての意思の決定を証する議事録の謄本
⑨ 設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書
⑩ 設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書
③認証にかかる時間は
そのときの所轄庁(県庁や市役所など)の状況にもよりますが、おおむね1か月半から2か月程度はかかると見込んでおいたほうがよいでしょう。なお、書類提出後、所轄庁のチェックが終わると、2週間「縦覧」に供されることになります。縦覧とは、一般の方々が提出された情報を自由に閲覧できるとこと言います(もちろん役員の住所等までは公開されません)。
④認証されたら
所轄庁から認証書が交付されます。その後2週間以内に設立登記をする必要があります。登記完了後、所轄庁に「設立登記完了届出書」「登記事項証明書」「設立時の財産目録」を提出しなければなりません。
なお、行政書士は許認可の専門家ですから登記業務を行うことができません。登記の専門家は司法書士ですので、司法書士の先生に依頼されるか、ご自身での申請となります。
